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PSEマークがあれば安全?モバイルバッテリーは「責任者まで追えるか」で選ぶ

モバイルバッテリーのPSEマークは何を示すのかを解説。事業者名、型式、問い合わせ先、リコール情報まで確認し、購入後に責任主体を追える製品を選ぶ視点を整理します。

公開:2026.08.22

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モバイルバッテリーを選ぶとき、「PSEマークが付いているから安全」と判断していないでしょうか。

PSEマークの確認は必要です。しかし、マークがあることと、その製品で事故が起きないことは同じではありません。

見るべきなのは、PSEという記号だけではなく、その近くに表示された事業者名、製品情報、問い合わせ先、リコール時の対応まで含めて、製品の責任主体を追えるかどうかです。

PSEは「取得する認証マーク」ではない

一般には「PSE認証済み」「PSEを取得した製品」と表現されることがあります。

しかしNITEは、PSEを含むPSマークについて、第三者から取得するものではなく、国内の製造・輸入事業者が技術基準への適合などの義務を果たした証として、自ら表示するものだと説明しています。

つまり、PSEマークが示すのは、国や第三者機関が一台ずつ検査し、安全を保証したという意味ではありません。

モバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、技術基準への適合を確認したうえでPSEマークを表示しなければ販売できません。2019年2月1日以降、対象となるモバイルバッテリーはPSEマークなしで販売できなくなっています。

PSEマークが証明しないこと

PSEマークは、購入時に必ず確認すべき最低条件です。ただし、次のことまで保証するものではありません。

  • 将来も故障や事故が起きないこと
  • 他の製品より品質が高いこと
  • 落下や高温放置などの誤使用にも耐えられること
  • 製造後に不具合が判明し、リコール対象にならないこと
  • 販売事業者へ確実に連絡できること

技術基準に適合して製造された製品でも、個体不良、経年劣化、衝撃、高温環境、誤った使い方などによって事故が起きる可能性は残ります。

そのため、「PSEがあるか」だけで比較を終わらせるのではなく、問題が起きた後まで対応できる製品かを見る必要があります。

購入時はPSEマークの「隣」を見る

NITEは、PSEマークだけでなく、マークの近くに国内の製造・輸入事業者名が表示されているか確認するよう呼びかけています。略称や登録商標で表示される場合もあります。

購入前に確認したい情報を整理すると、次のようになります。

確認項目分かること
PSEマーク電気用品安全法の対象製品として表示されているか
製造・輸入事業者名法令上の責任を負う主体を追えるか
型式・仕様リコール対象や問い合わせ対象を特定できるか
住所・問い合わせ先不具合発生時に連絡できるか
公式サイト・取扱説明書使用条件や安全上の注意を確認できるか
回収・廃棄方法使用後まで対応できる製品か

商品ページに「PSE認証済み」と書かれていても、それだけでは十分ではありません。本体ラベルや取扱説明書の画像で、PSEマークと事業者名を確認できる方が判断しやすくなります。

通販ページの販売元と、PSE表示の事業者は同じとは限らない

通販サイトでは、ブランド名、出品者、販売元、発送元、製造・輸入事業者が異なることがあります。

商品ページ上の販売元だけでなく、本体や取扱説明書に表示された事業者まで確認する必要があります。NITEは、ネット通販で購入する際、販売元の問い合わせ先が実在するか、日本語で対応できるか、不自然な説明や極端に安い価格ではないかも確認するよう案内しています。

安いこと自体が危険の証拠ではありません。しかし、安全性の基準を満たすための試験、部材、品質管理、サポートには費用がかかります。比較対象から大きく外れた安さなら、その理由を確認する視点は必要です。

海外からの直接購入では、表示だけで判断しにくい

海外から消費者へ直接送られる製品では、国内の輸入事業者を介さない場合があります。

NITEは、必要な検査をせずにPSマークを表示しているケースや、安全基準を満たしていない製品があるとして注意を促しています。マークの見た目だけで、実際の手続きや検査まで確認することは困難です。

2025年12月25日には製品安全4法の改正法が施行され、海外事業者への規制や国内管理人の選任が導入されました。それでも購入者にとって重要なのは、日本国内で対応できる窓口を含め、責任主体が明確かという点です。

安全な製品も、後からリコール対象になり得る

購入時に問題が見つからなかった製品でも、販売後に不具合が判明することがあります。

NITEによると、2021年から2025年までの5年間に、リコール対象となったリチウムイオン電池搭載製品による事故が453件発生しています。リコール対象なら、膨張や発熱などの異常がなくても使用を中止し、事業者へ確認する必要があります。

購入時点のPSE表示だけでなく、後から製品を特定できるように、メーカー名と型式を把握しておくことも安全対策です。

モバイルバッテリーの異常時の対応は、熱くなったモバイルバッテリー、保冷剤で冷やしていい?で確認できます。

PSEはゴールではなく、安全確認の入口

モバイルバッテリーを選ぶとき、PSEマークは最初に確認すべき条件です。

しかし、本当に見るべきなのはマーク単体ではありません。

  1. PSEマークが表示されている
  2. 近くに製造・輸入事業者名がある
  3. 型式と製品情報を確認できる
  4. 国内で問い合わせできる
  5. リコールや回収情報を継続して確認できる

この5点がそろって初めて、購入後に何か起きたときも責任主体へたどり着けます。

「PSEがあるから安全」ではなく、「PSEから責任者まで追えるか」。それが、ネット通販でモバイルバッテリーを選ぶときの、より実用的な安全基準です。

出典と確認条件

制度・安全情報は、2026年8月22日時点の経済産業省およびNITEの公開情報を確認しました。個別製品の表示・問い合わせ先・リコール対象は、購入前および使用中に最新の公式情報を確認してください。